□レビュー:
前世の記憶が当たり前にあり、それが異能となる世界。これは前世の記憶がないにも関わらず異能を持った少年の真実を探す物語。
遡臓という臓器の発見により、前世の記憶が当たり前になった近未来を舞台として物語は展開される。主人公である神崎慎吾は、高校卒業とともに前世の記憶を確認するも「該当なし」の結果に。彼は落胆するも、とある事件が切掛けとなり自身の異能が発現する。前世の記憶により発現する異能がなぜ彼にもあるのか、その謎を追うことになる。
ジャンルは現代ファンタジーですがSFやミステリー要素もあり、読めば読むほど引き込まれる作品となっております。異能バトルが好きな方は勿論、警察ものが好きな方も是非お読みください。
☆作品情報
□作品名:万世の轍
□作者:須永 光 さん
□掲載場所:カクヨム
□文字数:約43万字(2021年4月27日時点)
□連載状況:連載中
□タグ:
前世 ダークファンタジー 近未来 異能 カクヨムオンリー 長編 ローファンタジー オマージュ
□あらすじ(原作より引用)
2020年代以降の人類が宿すようになった「遡臓」という臓器は、前世の記憶を貯蔵する役割をもつ。遡臓を持つ人間の多くには前世があり、遡臓が活性化すると前世の記憶を思いだす。
舞台は2100年代。前世の存在が社会に受け入れられ、社会構造が大きく変わった日本。
神崎真悟は学校の検査で前世のない人生1回目であると判明し、落胆を隠せなかった。
その帰り道、彼は謎の異能をもつ男と遭遇する。バケモノ並みの怪力を持つ男を前に死を覚悟する神崎だったが、すんでのところで針を自在に操る男に助けられる。
そして、我に返った神崎の手には、白い刀が握られていた。
自らも謎の能力を出したことに驚く神崎だったが、それが「前世での記憶や経験によって引きおこされるもの」と知らされ困惑する。前世のないはずの自分が、なぜ――。
近未来、前世の存在が当たり前に受け入れられている社会。
前世の記憶をもとに出現する異能。
その裏にあるのは、過去の記憶を持つゆえの苦悩。
虐待、性被害、犯罪被害、宗教信仰、人を殺した過去、殺された過去、トラウマ、差別と偏見、揺れ動く価値観、死に際に見た景色、忘れられない人。
記憶に乱され、記憶と共に生きようともがき戦う人々を精緻に描く、重厚社会派ダークファンタジー。
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